2013年11月14日、長野県建設業厚生年金基金の元事務長・坂本芳信容疑者が逮捕されました。
約23億円の横領をしたものの、真面目と言われた人物で、現在はどうなっているのか気になる人も多くいるようです。
この記事では、23億円横領事件の坂本芳信の現在は出所しているのか、また多額のお金の使い道は何だったのかについて調査しまとめていきます。
坂本芳信の横領事件の概要
坂本芳信氏の横領事件の概要は以下の通りです。
建設会社従業員らの年金資金を運用する「長野県建設業厚生年金基金」（長野市）で23億8730万円が行方不明になった事件に絡み、基金事務長として口座を一手に管理、2010年9月の事件発覚直前に逃亡した彼は、約6400万円の業務上横領容疑で国際指名手配されていた。
AERAdotより引用
使途不明金がある該当期間は2005年6月から始まっていて、逃亡直前の2010年9月まで。
基金の調査によると、2005年6月から2010年9月までに約23億8700万円の使途不明金があるとされており
DIAMOND onlineより引用
逃亡先はタイで、3年余りでそのほとんどを使い果たしてしまったと報じられています。
坂本芳信氏は約23億円もあった使途不明金をどのように使ったのでしょうか？
坂本芳信の23億円の使い道は？
坂本芳信氏の23億円の使い道は、下記のように「女性に貢いだ」と報じられています。
行方をくらますまで30回近くタイに入国、高級飲食店で飲み食いし、複数のタイ女性と付き合っていた。
逃亡後も100万円単位のカネとブランド品をタイ女性に贈りまくる生活を続けた
AERAdotより引用
また、高級車も所持していたそうです。
家のつましさの割に高級車が2台あったのが目を引いた。
AERAdotより引用
しかしながら、3年でお金が尽き、最後はお金を無心した女性に通報されて逮捕されました。
逃亡後も100万円単位のカネとブランド品をタイ女性に贈りまくる生活を続けたが、最後の数カ月はカネがなく、家賃8千円のアパート暮らしで、それも滞納。付き合いのあった女性にカネを無心した。女性がカネと携帯を渡した後で警察に通報、散髪と買い物から戻ったところを逮捕された。
AERAdotより引用
坂本芳信の現在は出所してる？
坂本芳信氏の現在はまだ服役中である可能性が高いです。
判決は懲役15年
坂本芳信氏は2014年に「懲役15年、追徴金430万円の判決」を受けています。
長野県建設業厚生年金基金の掛け金約２４億円が不明となった事件で、業務上横領罪と収賄罪に問われた元事務長坂本芳信被告（５６）に、長野地裁は２５日、求刑通り、法定刑の上限の懲役１５年、追徴金４３０万円の判決を言い渡した。
千葉日報より引用
判決当時56歳だったので、現在は66歳前後ということになります。
仮釈放の可能性は？
坂本芳信氏は、期間的には仮釈放の条件を満たしていますが、現時点で仮釈放された可能性は低いと推測されます。
懲役刑の場合、刑法28条によると「有期刑では刑期の3分の1、無期刑では10年が経過していること」が仮釈放の条件。
今年懲役10年目の坂本芳信氏は、刑法上は仮釈放の条件は満たしていることになります。
また、実務的には刑期の3分の2、つまり懲役15年だと10年以上経過で仮釈放が認められるケースがほとんどとのことで、実際の運用上の条件も満たしています。
実際に仮釈放が認められている事例は刑期の3分の2が満了している受刑者が大部分であり、刑期の半分に満たない期間で認められるケースはごくまれといえるでしょう。
ベリーベスト法律事務所より引用
ただし、仮釈放が認められるには、更に下記の要件を満たす必要があります。
ベリーベスト法律事務所より引用
- 悔悟の情が認められること
- 更生の意欲が認められること
- 再犯のおそれがないと認められること
- 保護観察に付することが改善更生のために相当であること
- 社会の感情が仮釈放を是認すると認められること
判決を受けた時の裁判長は「空前の巨額横領事件」と言及していることから、特に最後の「社会の感情」的に仮釈放は許されないのではないかと推測されます。