2014年4月16日に韓国・全羅南道珍島郡の観梅島沖海上で起きた大型旅客船沈没事故、「セウォル号沈没事故」。
乗員・乗客の死者299人、行方不明者5人、捜索作業員の死者8人を出した大惨事でした。
この事故を起こしたセウォル号の船長だったイ・ジュンソク船長は評価が分かれる人物。
「クズ」などと強く非難されることがある一方で「実はかわいそうな人だった」という意見もあり、本当のところはどうなのか気になる人も多くいるようです。
この記事では、セウォル号の船長が「クズ」や「かわいそう」といわれる理由、現在は死亡説もあるがどうしているのかについて深堀していきます。
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セウォル号の船長がクズと言われる理由
セウォル号のイ・ジュンソク船長がクズと言われる理由は、事故が起きた時に乗客を見捨てて真っ先に逃げたからです。
逃げた時の格好が下着に裸足だった
イ・ジュンソク船長が船からいち早く逃げ出した時の格好は、下着に裸足だったと言われています。
「(下着に裸足は)落ちた場合にも泳げる態勢。そこまで逃げることを考えて船長は飛び出してきている。乗客の安全より自分が助かることだけを考えているのがこの映像からわかる」
https://www.j-cast.com/2014/04/30203602.html?p=allより引用
理由は泳げる態勢を確保するためと言われていますが、韓国メディアは理由を推測する情報をさらに報道しました。
その一つは、乗客の振りをして早く救助されようとしたが、着替えが間に合わず下着姿になってしまったというもの。
一部の乗組員が救助される直前に制服から私服に着替えたことが明らかになり、船長も乗客のふりをして早く救助されようと服を着替えようとしたが、間に合わず下着姿になってしまった疑惑が浮上している、と書いてある。
https://www.j-cast.com/2014/04/30203602.html?p=allより引用
もう1つは、操舵室で2人の女性と一緒にいて下着姿だったということは…?というもの。
操舵室には船長のほか、中年の韓国人女性とフィリピン人の女性歌手が一緒にいたと報じられている。
https://www.j-cast.com/2014/04/30203602.html?p=allより引用
泳ぎやすくするためなのか、乗客のふりをするための着替えが間に合わなかったからなのか、それとも2人の女性と何かやっていたからなのか、下着に裸足姿だった理由は断定はされていないようです。
ただ、どんな理由にせよ船長は下着に裸足で真っ先に逃げたのは事実で、かなりバッシングを受けました。
救出するのに警備艇の大きさが足らないことが分かっていた
セウォル号は事故直前の交信記録が残されています。
交信記録によると、救出してくれる警備艇の大きさ的に乗客全員を救出できないということが船長含めて乗員は事前に分かっていたというものでした。
乗客に脱出を命じれば、船員の脱出は後にならざるを得ないが、事故現場に到着した100トン級の警備艇では、船員を合わせて「500人程度」を救出するのは不可能に見えた。
https://www.huffingtonpost.jp/2016/03/10/sewol-telecommunication_n_9425350.htmlより引用
普通に救助活動する場合の優先順位は乗客が先。
救出用の警備艇が小さすぎて、乗客が先に救出されて生存すると自分たち乗員が救出されないことが想像できていました。
なので、乗客に向けてはあえて退出させずにその場にとどまらせるようにし、船長らは先に脱出したのでは?という疑惑があります。
セウォル号の船長が実はかわいそうと言われる理由
一方で、セウォル号のイ・ジュンソク船長が実はかわいそうだと擁護する意見もあります。
会社の体制からして悪質
セウォル号を保有するのは「清海鎮海運」という会社。
この会社の体制がそもそも悪質だったことが報道で判明しています(下記)。
- 運航会社の実質的オーナーが自分専用の「写真展示室」をつくるよう命じたことを受けて船の改造
- 日常的に過積載が行われていた
- 航行時のバランスを保つためのバラスト水を基準値の4分の1に調整
- 以前から事故や故障が多かった
会社の体制からして、そもそも事故が起こるべくして起こるような体制だったという点は否めません。
イ・ジュンソク船長は代理船長だった
イ・ジュンソク船長は代理で船長を務めていました。
本来の船長は1等航海士のシン氏が務めるはずでしたが、休暇のため2等航海士のイ・ジュンソク船長が代理で務めたそう。
セウォル号の本来の船長は1等航海士のシン・某(47)氏であった。 だが、シン氏が休暇に入ると2等航海士であるイ船長がこの日の旅客船運航を代行した。
https://japan.hani.co.kr/arti/h21/17206.htmlより引用
しかしながら、会社の体制が悪かろうが、代理船長だろうが、事故が起きた時に乗客の命を守るのは船員としての責務。
その責務を放棄した点は裁判でも論点にあがりました。
イ被告は、「事故当時は混乱していて、まともな精神状況ではなかった。殺人の故意はなかった」と述べたが、検察側は「乗客は死んでもいいと思った内心が確認できる」としていた。
DIAMOND onlineより引用
かわいそうな面はあるものの、乗客の安全を優先することを放棄したという点が強すぎて、韓国の世論は船長を許さなかったようです。
セウォル号の船長の死亡説はデマ!現在は服役中
セウォル号の船長について調査すると「死亡」や「不審死」と出てきますが、それはデマで現在も生存しています。
死亡したのはオーナーのユビョンオン氏
セウォル号の関係者で死亡したのは船長ではなく、実質的なオーナーだったユビョンオン氏です。
セウォル号の事故が起きたのが2014年4月16日。
ユビョンオン氏は2014年6月12日に変死体で見つかったとされていて、その約1か月後の7月22日にDNA鑑定の結果からその変死体がユビョンオン氏だったと発表がありました。
当時73歳で持病も抱えていたことから病死とみられますが、状況的に不審な点が多いことから「実は変死体は替え玉で本人は逃亡した」「他殺だった」などの陰謀論もささやかれていました。
セウォル号船長の現在は服役中
セウォル号のイ・ジュンソク船長は2015年に殺人罪で無期懲役が確定しました。
78歳~79歳になる現在も服役中であると考えられます。
70歳近くで刑務所に入所したことを考えると、出所できる可能性はほぼゼロに近いと推測されます。
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